■ペット・ロスとは?
■コンパニオン(伴侶)としての動物
■ペット・ロス時にみられる心や体の変化
■悲しみからの立ち直りのプロセス
■医療に関して後悔しないために
■高齢者にとって動物を失うということ
■ペット・ロスに年代(年齢)、性別による違いはあるか?
■ペット・ロスの悲しみから立ち直るには?
■周囲の人々のフォロー(何ができるか、どう接するべきか?)
 ペット・ロスはそのまま訳せば、ペットを失うことなのですが、実際には愛する動物を失った家族の悲しみを表現する言葉として使われています。ここで一つ強調しておきたいのは、ペット・ロスは愛する動物を失った人の正常な悲しみの反応であり、決して特別なことではないということです。極めてまれに、専門家の助けが必要になるケースもありますが、このような場合、バックグラウンドにペット・ロス以外の問題があることが多いと思われます。
 最愛のペットを亡くした家族の中には、こんなに悲しいのは自分だけではないか、こんなにいつまでも悲しみを引きずっている自分は異常なのではないかと思ってしまう人がたくさんいます。また、一般社会の受けとめ方として、”たかがペットが死んだくらいで”という風潮がまだまだ根強く残っています。周囲の人達の心ない一言でひどく傷ついている人達がいることも事実です。何年間も共に暮らした動物が亡くなれば、悲しいのは当たり前であり、自分の親が亡くなった時よりもずっと悲しいという人もたくさんいます。しかしながら、ペットを失ったことで一時期ひどく落ち込んだとしても、そのダメージから正常なプロセスで回復していくのであれば全く問題はありません。大切なのは、ペット・ロスに対する社会全体の認知とともに、ペットを失った家族の“共に暮らした動物の死”に対する理解を深めることだと思います。
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